なぎさにふたり

マッチングアプリ文学

2023-01-01から1年間の記事一覧

日刊東京タワー通信 2日目

suicide-motel.hatenablog.jp タワーさんは乃木坂46が好きでした。好きなメンバーは訊いていませんが、どうせ普通に201X年くらいの西野七瀬が好きだったんじゃないかと思います。知りませんが。 わたしも「雰囲気が(秋元系)アイドルみたい」と言われたことあ…

日刊東京タワー通信 1日目

スカイツリーが出来てから10年余の時が過ぎたが、「東京タワー」はステイタスシンボルとして在り続けている気がする。 「今俺が住んでる家、東京タワーがみえるんだよね」なんてあからさまな港区在住アピールは、もう誰もしなくなったかと思う。しかしわたし…

針脱毛に行ってきました

美容ブロガーでも何でもないんですが、備忘録として。都内某クリニックで針脱毛を受けてきました。 価格や施術内容の比較検討は大してしていません。突如として脱毛したいぜ!今すぐしたいぜ!という気持ちになったので、空き時間で行ける病院を探して行った…

侵食と融解

夫と結婚する前、まだ恋人同士だった頃、SNSであらゆる趣味が合う男性と出会った。会話のきっかけが何だったかもわからない。 おそらくどちらかが投稿した写真に映った絵本が自分の趣味と合っていて、どちらともなく「その絵本、素敵ですよね、残酷で」「透…

匂い立つのは嫌悪感

ちゃんと生きていると他人を嫌うにも口実が必要で、まともに生きていれば誰かを好きになったときすら、明快な論理で周囲の人間を説得しなくてはならない。この人は愛に足る他人なんだって伝えないといけないし、わたしがこの人を嫌うのも道理と誰かに理解さ…

光と風に怯える彼

その日のアポは終業後。虎ノ門と新橋のあいだの、地下にある和食のお店で集合することになった。 めずらしく歳下の人、まあひとつ違いだから大した歳の差でもない。ただ名前が自分の弟と少し似ていることにやや違和を感じていた。弟とマッチしたのでは?とい…

話の通じない彼

極論、片想いも暴力だし、ボディタッチも暴力である。 唯一暴力の定義を外れるために必要なのが、ふたりのあいだの合意である。 心も身体も、一方的に欲されるのはそれだけで有害だ。欲した以上は見返りを求め、焦がれた以上は満たされたいと願う。相手にい…

あまりにも私服がダサい彼

もう何年まえになるだろうか。当然コロナ前ではあるのだが、あまりにも私服がダサい人とマッチングアプリで会ったことがある。 わたしはダサい人が嫌いだ。じゃあダサいの定義って何なの、月にいくら金使ってたらダサくないの、と言われそうだが、わたしの基…

好みじゃない、って差別なの?

ある人にとっては、わたしは酷くて醜い人間だった。顔貌はそれなりだが、性根でそういう自覚があった。また自覚があるだけマシだと思っている節もあった。「好みじゃない」。恋愛というフィールドでのみ使えるワイルドカード。人はこのカードを使うことで、…